虚空蔵山・陣場烏越山ルート解説
国道18号の上田市塩尻付近で見上げる虚空蔵山は険しい岩場を連ねて近寄り難い感じがする。
山は深くはないが、急峻で、入山者は少ない。
登山コースは主に稜線歩きで、各所に露岩があり、そこが眺望のポイントでもある。
いまはヤブが登山道にせり出しているところが多いが、
上田市街地に近いこともあり、コースが整備されれば魅力ある山に変身するにちがいない。
上信越自動車道坂城インターで降り、国道18号へ出て左折。
次の「谷川」信号交差点を左折。
谷川に沿う道は、900m先で右折して橋を渡り山手へ。
老人ホームを過ぎて1.9kmの分岐で右折(勝負平の看板)。
ここは開けた唐松林で、高圧線巡視用の鉄塔番号を記した小さな標住が立っている。
砂利道に変わり、900m先の道の広幅部に駐車。
目の前のの階段を上がれば、そこは虚空蔵山西方稜線の鞍部。
すぐ上方に見えるNo26鉄塔からは上り勾配の尾根道が続く。
陣場烏越山(高津屋山の間違え?)は岩頭だから見晴らしがよい。
の手前の「のぞき」と呼ばれる鞍部は、切れ込みが顕著で、危険個所はないがきつい。
眺めで気分をまぎらわせながら、急登しばしで石祠と「ナンジャモンジャ」の木がある
山頂手前の峰に着く。
ナンジャモンジャは南方系マメ科の「フジキ」といい、この付近では珍しく、七月初めに
マメやフジに似たきれいな花をつけると、説明板にある。上田市指定の天然記念物。
虚空蔵尊を祀った切り妻屋根の石祠(写真・6)は岩陰にある。
三等三角点の虚空蔵山々頂はギャップを隔てた三十メートルほど先の岩頭。
この山頂からの展望はよい。
360度にわたり遠近の山々を指呼できる。
また山頂部には中世の重要な役割をもった虚空蔵山城があったというが、
足もとを覗くように市街地を見下ろすこの高度感のある風景を見れば、納得できる。
『章文館・長野県 北信・東信 日帰りの山』より抜粋 |